校正・校閲の仕事をしてらっしゃるbxjpさんの書いた
・校正のバイトをしててよく直す箇所10選|bxjp|note
が、分かりやすい文章を書くヒントとしてよくまとまっているもので初心者向けに役に立つものと思いますので、この記事ではその内容をシェアする形で、分かりやすい文章を書くためにはどんなことに気をつけたらよいかを考えてみます。
なお、ぼく自身は校正や編集の仕事をしているわけではなく、この記事では、ネット上で文章を公開している者として、自分が普段心がけていることを書いているだけであることを初めにお断りしておきます。
- bxjpさんの「よく直す箇所10選」
- 1. 順接の「が」が頻出する
- 2. 「も」を使いがち
- 3. 「することができる」を使いがち
- 4. 途中で主語が入れ替わっている
- 5. 意味のまとまりで「、」を打たない
- 6. 列挙するときに余計な語句を入れてくる
- 7. そこ漢字?ってところが漢字
- 8. 同じ表現・言葉が近い位置に出てくる
- 9. 表現がバラエティ豊かすぎる
- 10. 同じことを書いている&省略せずに書いている
- A. 因果関係を示すために「ため」を使わない
- B. 「の」でなくてもいい場所から「の」を追放する
- C. 「イ形容詞+です」を避ける
- D. 「行う」を減らす
- E. 目的語の不足や、位置の修正
- 分かりやすい文章を書くためには、うまい文章を真似ること、そして自分の文章をしばらく寝かせて読みなおすこと
bxjpさんとShikanoさん(後述)の記事を踏まえて、はてなの編集スタッフであるayako_m (id:ayakoya)さんが、
・日本語の編集をしていてよく直すパターン19選 - 壁に飾られた絵画を見ようとしてその絵に近寄ってはいけない
という記事を書いてらっしゃってます。
ぼくの記事より百倍切れ味がいい上に、四項目追加されてますので、今すぐ上記記事に跳んでください(笑)。
bxjpさんの「よく直す箇所10選」
bxjpさんは、次の10項目を挙げて、
「別に直さなくてもいいかもしれないけど、気をつけた方が読みやすい文章になるんじゃない?」
という趣旨で目安を示してくれています。
1. 順接の「が」が頻出する
2. 「も」を使いがち
3. 「することができる」を使いがち
4. 途中で主語が入れ替わっている
5. 意味のまとまりで「、」を打たない
6. 列挙するときに余計な語句を入れてくる
7. そこ漢字?ってところが漢字
8. 同じ表現・言葉が近い位置に出てくる
9. 表現がバラエティ豊かすぎる
10. 同じことを書いている&省略せずに書いている
また、Shikano Keiichiroさんという理工系出版社で制作をなさっていた方が、
・k16's note: 日本語の編集をしていてよく直すパターン15選(増えるかも)
という記事で、bxjpさんの10選とともに、さらに次の5項目を挙げてくださっていますので、そちらも合わせて紹介させていただきます。
A. 因果関係を示すために「ため」を使わない
B. 「の」でなくてもいい場所から「の」を追放する
C. 「イ形容詞+です」を避ける
D. 「行う」を減らす
E. 目的語の不足や、位置の修正
1. 順接の「が」が頻出する
2つの文をつなぐ「が」には、逆接と順接の2つの使い方があります。
- りんごは赤いと思いがちだが、青いりんごもある。(前の文をひっくり返す内容をつなぐ=逆説)
- りんごはおいしいが、バナナもおいしい。(前の文をひっくり返さずつなぐ=順接)
順接の「が」は、文章を書き慣れていない人が多用しがちで、連続して使うと単調になるため、書き換えたほうがよいという話です。
bxjpさんはこれを解決するために、「し」でつないだり、文章を分けたりする方法を示しています。
- りんごはおいしいし、バナナもおいしい。
- りんごはおいしい。バナナもおいしい。
Shikanoさんは『順接の「が」は撲滅を目指すべき』とまで言っています。
技術書などの表現としては、『順接の「が」』はないほうがすっきりしていていいのでしょう。
けれども、日本語の表現として『順接の「が」』はなんら問題のないものです。
『順接の「が」』を使い過ぎると読みづらくなる、ということを分かった上で、自分の表現上必要ならば使えばいいものと思います。
2. 「も」を使いがち
- 文章を書くとき、「も」を多用する人もいます。
......というような形で単独で「も」を使うと曖昧な感じがするため、言い切れるものは言い切ったほうがいい、という話です。
- 文章を書くとき、「も」を多用する人がいます。
これは確かにこの方がすっきりしますね。
Shikanoさんは、次のように書いています。
「も」の位置も直したほうがいい場合っていうのが意外と多い。
つまり、「も」の位置を直したほうがいい場合っていうのも意外と多い。
これは複文の場合の「も」の位置の話です。
- 「も」の位置を直したほうがいい
- そういう場合が意外と多い
という2つの文章が合わさったものに「も」を入れるとき、先にくる文に「も」を入れたくなるのですが、実際にはあとにくる主文に入れたほうがいい、というケースです。
3. 「することができる」を使いがち
「することができる」は回りくどいのでやめたほうがいい、という話です。
「買うことができる」は、「買える」か「購入できる」のほうが確かにすっきりしますね。
Shikanoさんは、「『することが』成分は、ざくざく削ぎ落とす」と言っています。
ぼくは「することができる」を割と使っちゃうほうなので、少し考えてみようかな。
4. 途中で主語が入れ替わっている
長い文章を画面に向かっていきなり打ち込んでいると、途中で主語が入れ替わってしまうことは、ぼくの場合わりと普通にあります。
bxjpさんが挙げている例文、
勇者は武器と防具を買いに行き、お店で店主と話していたら、好きな魚の話でめちゃくちゃ盛り上がってしまい、気がつくと「もってけドロボー!」と叫んでいた。
は、典型的なパターンですよね。*1
勇者は武器と防具を買いに行った。お店で店主と話していたら、好きな魚の話でめちゃくちゃ盛り上がってしまった。(あんまり盛り上がったので、)気がつくと店主は「もってけドロボー!」と叫んでいた。
という書き換え例が示されていて、これは納得です。
Shikanoさんは、
書き手が長い文を書いていると、しばしば主語が入れ替わってしまう。ところで、前の文では主語が入れ替わっていて、日本語では許容される場面も多く、徹底するのは難しい気がします。とはいえ、やっぱり読みやすくはないので、たいていの場合は文章ごと書き直します。
と書いています。
主語が明示されており、視点や論理の上で無理がなければ、文の途中で主語が入れ替わるのは、特に問題ないことに思えます。
Shikanoさんが言うのは、
- 主語の入れ替わりがある場合は、視点や論理の上で無理があって読みづらくなることが多いので、文章ごと直すことが多い、
ということなのでしょう。
5. 意味のまとまりで「、」を打たない
読点「、」は意味のまとまりの切れ目で打つべきであり、音読時の呼吸のポイントに打つものではない、という話です。
- 若々しく体も大きな警官が真っ赤な自転車に乗って逃げる泥棒を追いかけていた。
という文章があるとき、
- 若々しく体も大きな警官が真っ赤な自転車に乗って、逃げる泥棒を追いかけていた。
とすれば、「警官が自転車に乗っている」ことになりますし、
- 若々しく体も大きな警官が、真っ赤な自転車に乗って逃げる泥棒を追いかけていた。
とすれば、「泥棒が自転車に乗っている」ことになります。
これを
- 若々しく体も大きな警官が、真っ赤な自転車に乗って、逃げる泥棒を追いかけていた。
としたら、誰が自転車に乗っているのか、分かりません。
こういう息継ぎ箇所を示すような、不用意な読点は打つべきではありません。
意味の曖昧な文章を直すとき、読点だけでなく、句の順序を変えるやり方もあります。
- 真っ赤な自転車に乗って若々しく体も大きな警官が逃げる泥棒を追いかけていた。(警官が自転車に乗っている)
- 真っ赤な自転車に乗って逃げる泥棒を若々しく体も大きな警官が追いかけていた。(泥棒が自転車に乗っている)
どちらの文章も長くて読みづらいですので、意味の区切りで読点を入れたほうがよいでしょう。
- 真っ赤な自転車に乗って若々しく体も大きな警官が、逃げる泥棒を追いかけていた。(警官が自転車に乗っている)
- 真っ赤な自転車に乗って逃げる泥棒を、若々しく体も大きな警官が追いかけていた。(泥棒が自転車に乗っている)
6. 列挙するときに余計な語句を入れてくる
列挙1 バナナ、リンゴ、キウイ、メロン、スイカなどの果物が……
列挙2 バナナ、リンゴ、キウイ、メロンやスイカなどの果物が……
列挙3 バナナやリンゴ、キウイ、メロンにスイカなどの果物が……
列挙4 彼の好きなバナナや美味しいリンゴ、熟したキウイ、メロンに傷がついたスイカなどの果物が……
という例を上げてbxjpさんは、列挙するときには、1 がすっきりしていいと言います。ただし好みの問題なので、強くは言わないと。
これは文章の調子の問題で、好みが影響するところですが、実用的な文章なら、1 か 2 がよく、文芸的なものなら、3 や 4 もありうるでしょう。
ぼくは「バナナ、リンゴ、キウイ、メロン、そしてスイカなど」というふうに、英語風に書くことが多いですね。
7. そこ漢字?ってところが漢字
bxjpさんは、次の例の下のほうが「素人っぽい」と書いています。
いろんな漢字を使ったところで、文章からにじみ出る知性に影響はない
色んな漢字を使った処で、文章から滲み出る知性に影響は無い
そして『ふつうは編集者に「表記統一表」というのを渡されて、それを見て漢字のままかひらがなに直すか決める』のだけれど、それがない場合は「媒体や読者層に合わせる」ことをすすめています。
Shikanoさんは、
~と言う、無い、出来る、何れも漢字にして欲しく無い。
とのこと。
この辺のことは学校の国語の時間には教えてくれないことなので、人が書いている文章などを注意して読んで、きちんと理解しておいたほうがいいところでしょう。
8. 同じ表現・言葉が近い位置に出てくる
bxjpさんは、
みずみずしい採れたての野菜を用意して、クマさんは台所に立ちます。みずみずしい大根を切り、用意していたお味噌をお鍋に入れます。
という例文を、
みずみずしい採れたての野菜を用意して、クマさんは台所に立ちます。大根を切り、準備しておいた味噌を鍋に入れます。
と直しています。(お味噌とお鍋から「お」が取っていることにも注意)
慣れない文章をたくさん書き続けていると、どうしても似たような修飾のフレーズが重なってしまったりします。
これを避けるためには、初稿を書くときは、あまり表現にこだわらず、自分の書きたいことをどんどん書いてしまい、表現の重なりなどについては、あとから読みなおして訂正するのが、初心者の場合にはやりやすいと思います。
Shikanoさんは、
同じものは同じ表現にするのが原則。そのうえで、微妙に違う話が同じ表現になるのを避けたい場合、箇条書きにするといった工夫を施す場合があります。
と書いていて、これは少し別の話でしょうか。
「同じものは同じ表現にするのが原則」というのは、分かりやすさのためには、「先生」と「教師」をごちゃまぜに使うのではなく、どちらかに統一したほうがいい、というようなことでしょう。
「微妙に違う話が同じ表現になるのを避けたい場合、箇条書きにする」というのは、具体例が思い浮かびませんが、技術書にはありそうな話ですね。
9. 表現がバラエティ豊かすぎる
bxjpさん
みずみずしい採れたての野菜を用意して、クマさんは台所のスタートラインに立ちます。大根の服を脱がし、先に一休みしていたお味噌をお鍋のお風呂に入れます。
というすんごい例文を使って、「読むのにまったく不要な、なんの効果もない比喩が頻出して、ただただ読みづらい」だけなので、こういう「気の利いた(つもりの)表現」はやめるべき、と説きます。
Shikanoさんも、
非標準的な語法やレトリックは、多用すると印象が悪いので、きもち控えめに修正する
と言っています。
文芸的な文章をご自分のブログなどで発表する場合は、どんな表現でもかまいませんし、あなたに本当に才能があるのなら、その独自の表現でプロになることも可能かもしれませんが、実用的な文章を書くのが目的なら「個性的すぎる表現」はやめておいたほうがいいということになります。
10. 同じことを書いている&省略せずに書いている
bxjpさんは、
いつも常々思っていた。(「いつも」「常々」のどちらかを取る)
白いホワイトドレスが…(「白い」「ホワイト」のどちらかを取る)
といった表現は明らかな意味の重複があるので直すそうです。
それに対し、
クマは焦っていました。心拍数があがっています。ドキドキして、胸が苦しくなりました。
は、強調の意図が感じられるので、「小説でなければ語句を二つくらい減らす提案をする」が、著者に確認すると言っています。
一方、
クマは家を出ます。ドアを閉めて、鍵をかけました。足を前に一歩踏み出し、それから、イチニ、イチニ、と歩き出しました。
は、この節だけならこの表現でもありうるように思えるが、「丁寧に動作を説明しすぎ」に思える、全体がこの調子では、話がいつまで経っても進まないから、適度に省略するのがいいだろう、と述べています。
Shikanoさんは、
どんなに重要な話でも、同じ内容の文が近距離で繰り返されている場合には、ざっくり要約するか、別の表現に書き換えるなどします。
と書いています。
こうした点は当たり前の話ではありますが、書き慣れないうちは同じような内容を繰り返してしまったりすることもありがちなので、注意して読み直しと書き直しをするのが大切です。
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A. 因果関係を示すために「ため」を使わない
因果関係を表すには、「ので」「から」「ため」の表現があります。
- 雨が降ったので、運動会は中止になった。
- 雨が降ったから、運動会は中止になった。
- 雨が降ったため、運動会は中止になった。
ニュアンスは異なりますが、どれも日本語の文章として正しいものです。
このうち「ため」は「目的」の意味でも使うので、Shikanoさんは
- 「ため」は「因果関係」に使うな、
と提案しています。
- マウスを操作するため、右手を使う。(目的)
- マウスを操作するため、右手はホームポジションから離れる。(因果関係)
こういう文章だと、確かに意味が取りにくくなります。
- マウスを操作するので、右手はホームポジションから離れる。(因果関係)
としたほうが分かりやすくなります。
一方、
- バーベキューをするため、炭を買った。(目的)
- バーベキューをしたため、炭がなくなった。(因果関係)
のような場合は、特に紛らわしさを感じません。
(少なくとも、ぼくの場合)
しかし、
- バーベキューのため、炭を買った。(目的)
- バーベキューのため、炭がなくなった。(因果関係)
となると、また紛らわしくなってきます。
このとき、技術書などの編集基準としては、
- 「ため」は「因果関係」に使わない、
は有効だと思いますが、一般の文章術としては、必ずしも当てはまらないものと思います。注意した上で、好みで使えばよいでしょう。
B. 「の」でなくてもいい場所から「の」を追放する
Shikanoさんは
「ぼくのかんがえたさいきょうのまとめ」よりも「ぼくがかんがえたさいきょうのまとめ」
と書いています。
技術書の編集基準としてはありうるのでしょう。
けれども、
○ぼくの大切な猫の話
✕ぼくが大切な猫の話
○ぼくの大好きな猫の話
○ぼくが大好きな猫の話
○ぼくの考えた猫の話
○ぼくが考えた猫の話
と並べて考えたとき、「の」より「が」が優れている理由が、ぼくには特に思い当たりません。
好みの別れるところでしょうか。
C. 「イ形容詞+です」を避ける
わりと多いです。うまくないです。
舌っ足らずな印象になって、うまくないので、多用しないほうがいいでしょうね。
D. 「行う」を減らす
「便利なのでつい多用しがちだけど、だいたいは動詞ひとつで言い換えられる」というのは確かにその通りです。
文章の調子を整えるために適度に使うのはありでしょう。
なお、送り仮名を「行う」とすると、「行(おこな)った」と「行(い)った」が区別できなくなるので、ぼくは「行なう」とします。
E. 目的語の不足や、位置の修正
- 「『何を』がないことが多い」
みたいな文だと、わかってる人にしか伝わらないので、
- 「読者が、文脈から動詞の対象となるモノを推察するしかない文章が少なくありません」
くらいに書いてほしいし、
- 「動詞の対象となるモノを、読者が文脈から推察するしかない文章が少なくありません」
と直すことも多い、とShikanoさんはおっしゃるのですが、
- これは本当に「読者層」によるな、
と思います。
- 「『何を』がないことが多い」
というのは、ぼくには一発で意味が取れますが、
- 「読者が、文脈から動詞の対象となるモノを推察するしかない文章が少なくありません」
これはぱっと頭に入ってこない。
- 「動詞の対象となるモノを、読者が文脈から推察するしかない文章が少なくありません」
こっちは分かりますが、冗長です。
Shikanoさんの想定している読者層を考慮して、修正案を考えると、
- 「『何を』がない」文章は少なくありません。つまり動詞の対象となるものを、読者が文脈から推察しなければならないのです。
くらいになりましょうか。
分かりやすい文章を書くためには、うまい文章を真似ること、そして自分の文章をしばらく寝かせて読みなおすこと
以上、bxjpさんとShikanoさんの記事の内容に沿って、分かりやすい文章を書くための具体的なポイントを見てきましたが、最後に
- 分かりやすい文章を書くための実用的な方法
を2つ挙げておくことにしましょう。
- うまい文章を真似ることと、
- 自分の文章をしばらく寝かせて読みなおすこと
の2つです。
「うまい文章を真似る」ということには、人の文章を読んでいて、
- この表現はうまいな、と思ったものを書き留めておく、
というようなこともありますし、
- ここで箇条書きを使うのか、とか、
- こういう喩え話は分かりやすいな、とか、
いろいろなものがあります。
そうした技法的なものも「真似て盗む」とよいのですが、文章全体のリズムを盗むためにおすすめなのが、
- うまい人の文章を書き写す
という方法です。
文章は、「読むときのリズム」と「書くときのリズム」とでは、まったくというくらい違うものがありますから、うまい人の文章を自分で打ち込み直すことで、「うまい文章を書くリズム」を身につけることは、大きな力になります。
かの大作家・村上春樹氏は、初稿を書き上げたあと、第二校を書くときには、すべてを頭から打ち込み直すそうです。
そこまではなかなか徹底できないでしょうが、「修行の段階」にあるあなたならば、「書くための練習」として、少し遠回りに見えても、うまい人の文章を「書き写す」ことで、文章のリズム感は確実にアップすることでしょう。
もう一つの
- 自分の文章をしばらく寝かせて読みなおすこと
ですが、これも自分の文章を客観的に読み、直すためには必要不可欠なプロセスです。
文章を書いているときには、思考の速度に文字の速度が追いつきませんから、「自分では当然」と思っていることが、どうしても文章から抜け落ちがちです。
これをきちんと読んで直すためには、書いてすぐに直すのではなく、少なくとも一晩置いてから読み直すことが有効です。
人間の頭というものは、眠っている間に一種のガーベジ・コレクションが起こって、自動的に思考の整理がなされますので、翌朝の起き抜けで頭が冴えているときに読み直しをすると、効率よく文章を直すことができます。
朝に時間が取れない場合でも、時間を置くことで、自分の文章を客観的に見る余裕が持てますから、間違いなく書き直しの質は上がります。
書き慣れていなくて、アラが目立つ自分の文章を直すのは、しんどい作業にもなりますが、ここで妥協せず、きちんと推敲することは、あなたの文章力を磨くためには欠かせないことです。
もちろん、あなたが天才的な一発屋型の人なら、「推敲ってなんのこと?」とか言いながら、すらすら文章を書いて、どんどんお金を稼げるはずですが、ぼくを含め、多くの凡人にとっては、地道な推敲の作業は不可欠ですよね。
ということで、初心者の方向けに「分かりやすい文章の書き方」について考えてみました。
以上、長文のご精読ありがとうございました。
それではみなさん、ナマステジーっ♬
*1:bxjpさんはなぜかこの例文を「入れ替わってはいない」と書いていて、ぼくにはその意味するところがよく分からないのですけれど......。